千葉和彦税理士事務所 宮城県塩釜市玉川1-2-40

コロナウイルス騒動について
(令和2年4月)

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  今月は当社関与先さんの経営計画発表会に参加しました。この時期ですので、開催するかどうか大分迷われたようですが、参加者は全員マスクを着用し、出入り口には消毒液が置かれ、窓は解放されての実行でした。

  役員、社員、関係者で50名近い方が参加され、各部署から今期の結果と来期の数字達成に向けた行動計画が、二時間ほどかけて次々と発表されました。

 例年そうですが、今年度も未来に向けた素晴らしい計画発表でした。最後に私が講評を求められました。私は「御社は、今まで全社一丸となり、利益を出し、内部留保を高めてきました。このような時こそそれが威力を発揮します。

  この急激な外部環境に一喜一憂することなく、来期の行動計画を着実に実行してもらいたいと思います。そのことが、このコロナ騒ぎが落ち着いた後に更に威力を発揮すると思います。」と話し、激励しました。

  しかし、上記の会社は自己資本比率が60%以上の優良企業だからそのような激励ができたのです。

  日本では、急激な外部環境の変化に対応するためには自己資本比率が40%以上必要だと言われ、各企業はその目標に向かって日々、経営努力しているのです。

  ところが、日本の中小企業の平均の自己資本比率は、まだ20%前後というのが現状です。しかも自己資本比率は一朝一夕では増やせません。利益を毎期出し続け、納税した残りが内部留保され自己資本を形成するからです。自己資本比率は当然、時価で考えますから、保険などの含み益は簿外資産として時価を形成します。

  反対にゴルフ会員権や値下がりした有価証券はその含み損を控除した評価で計算されます。企業の多くは、バブル崩壊やリーマンショック、大震災を経験しています。含み損を抱えたままの企業も少なくはないでしょう。

  ですから、こうした自己資本比率の低い日本の中小企業は、今回のコロナウィルス騒動は死活問題です。ほとんどの中小企業はまずは目の前の生き残りに不安を感じているのではないでしょうか?

  政府もそのことを十分承知していて「緊急経済対策」としてあらゆる手を打って、企業や国民の生活を守ろうとしています。対応が遅いという不満もあるでしょうが、それらの情報をいち早く得て活用することが急務です。

  当事務所でも活用できる融資などを少しでも早く知っていただくため常に新しい情報をメール通信や事務所通信を通じてお知らせすると共に、各担当者が直接、個別にそれらの情報を各関与先さんにお伝えするなど、スタッフ一丸となって努めています。

  実際に、訪問しますと「手元資金にまだ少し余裕がありますが、借り入れしておいた方が良いでしょうか?」という質問が良くあります。それに対する答えは、「まずは借りておくべきでしょう。」と言うことです。

  理由は、治療薬がいつ出るか見当がつかず今回のコロナウィルスの世界経済に与える影響は長引きそうだからです。しかし今までも何度も大きな試練はありましたが、終わらなかったことは一度もありません。早いか遅いかだけです。

  決して油断してはだめですが、必要以上に恐怖感を持っても何もできません。まずは手元資金を厚くして、我々にできる防御策を講じながら日常生活を淡々とこなしていこうではありませんか。



2020年3月29日(日) 著 者 税理士  千葉 和彦